2024年2月22日上場予定 VRAIN Solution(135A)の分析

2024年2月14日に上場予定のVRAIN Solution社(https://vrain.co.jp/)のビジネスモデル・資本政策遍歴・上場時の株主構成等について読み解いてみます。分析途中なので、都度Updateする予定です。

なお、出典は新規上場申請のための有価証券報告書(1の部)等を利用しておりますが、推測している部分もありますので、情報の正確性は保証しかねますので、各自、情報はご確認ください。

VRAIN Solutionは資金調達を一切せず、短期間(4年程度)で上場までたどり着いているところがユニークですね。

目次

ビジネスモデル

AIシステムの販売、DXコンサルティングを行う会社であり、売上の構成としてはAIシステム(AIによる検査の自動化を支援するシステム)の売上が大幅に伸びている。

収益の状況

創業初年度から売上高1億円を超えている。
販管費や原価の多くが人件費であり、売上高が伸びたとしても原価が増加しない損益構造となっているため、直近の売上高増加で利益率が大幅に改善する傾向にあると推察される。

資金調達の変遷

創業初年度から黒字経営であるため、創業後、1回も外部からの資金調達をせずに上場までたどり着いている。(なお、後述のとおり、株主の変更は複数発生している)

上場時の時価総額は270億円程度となっている。
上場時の株式放出比率は低いため、資金調達が目的の上場ではないように見える。

上場時の株主構成

オーナー企業比率が高い

代表取締役(資産管理会社を含む)が株式の75%程度を保有しており、創業者の株式比率が極めて高い状況となっている。

途中で株主の変更が発生

対象会社では、役員が退任するときなどに代表取締役が株式を買い取るなどが行われている。

また、株式会社スタンダード、合同会社BLUEPRINT(株式会社スタンダードのグループ会社)も創業株主であると推測されるが、何らかの事情によって、ジャフコ、テクノロジーベンチャーズ、東京センチュリーへ株式の譲渡が行われている。なお、株式会社スタンダードも資金調達を行っているようなスタートアップである。

デロイトトーマツリスクサービスが1年間保有後、ジャフコへ株式を譲渡している点も何かしらの経緯があったものと想定される。

上場時のストックオプション

従業員に対して、2回のストックオプションを発行している。
資金調達をしていない状況であるため、その都度、株価算定などを行い、行使価格を設定していると推定される。

監査法人の状況

監査法人は監査法人A&Aパートナーズである。
監査報酬は最近事業年度が9,100千円、最近事業年度が14,800千円となっている。

販管費の状況

主な販管費は役員報酬、給与及び賞与、採用費等の人件費である。

人件費

2023年12月31日時点で従業員数は45人、平均年間給与は5,333千円となっている。
2021年2月時点で従業員数は6名であったが、毎年10名強採用しており、売上増加の成長ドライバーになっているものと推定される。

役員報酬

常勤取締役(5名)の報酬は46,210千円であり、社外役員(5名)の報酬は6,388千円である。
なお、現常勤取締役は4名であり、上記表上は退任役員(1名)に対する費用が含まれる。
また、現社外役員も4名であり、上記表上は退任役員(1名)に対する費用が含まれる。

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